Mobile Learning


ポートフォリオとは

Mobile Learning

_ ポートフォリオ(Portfolio)

 ポートフォリオを直訳すると[紙ばさみ]であり,学習者が作成した様々なレポートや作品,日記,ビデオテープ,教師の助言まですべてを挟み込んだものである.

_ ポートフォリオ評価の教育効果

 ポートフォリオ評価とは,学習目標を細分化し到達レベルの評価を示したルーブリックにしたがって,教師と子どもが一緒にポートフォリオ・カンファレンスで評価する方法である.確かに膨大な時間と労力を要する.それ故,手間がかかる,時間がかかると嫌煙されることも多い.それは,ポートフォリオ評価でどんな学力が育つのかが,具体的に 示されてこなかったからだ.

 教師は,育てたい学力,伸ばしたい学習目標に合わせて授業設計を行う.育てたい究極の学力が,「計算で早く答えを出すこと」「漢字の書き取りが上達すること」であるならば,ポートフォリオ評価のような手間のかかる方法はいらない.だが,応用問題や読解力問題を解くためには,「思考力」の育成は欠かせない.

 加納[2002]は,ポートフォリオ評価で育つ学力とそうでない学力を比較検討した.被験者を,ポートフォリオ評価をおこなっているポートフォリオ評価群・問題解決を中心とした授業をおこなっている問題解決群・例題の解説をおこない例題を演習させるタイプの教師主導型群とし,高校1年生207名(6クラス)を69名(2クラス)ずつの3つの群に分けた.

 それぞれの学習目標,評価観点ごとに,3群を比較した.計算力に関しては,若干教師主導型群の平均点は高かったが,有意な差は得られなかった.だが,計算力の標準偏差は,3群の中で最も高く,学力格差が大きくなるという結果を得た.

 一方,学習意欲や思考力に関しては,ポートフォリオ評価群の得点はもっとも高く有意な差が得られた.そこでさらに,思考力に含まれる要素のうち,推論(アブダクションとアナロジー)・論理性・数感覚の中のどれが育成されるのか,比較検討を行い,いずれもポートフォリオ評価群の方が高い得点を得ることができた. ポートフォリオ評価は,振り返りを促し,学んだ知識と知識を比較したり関連づける活動の習慣化を促すため,このような結果が得られたのであろう.

[文献]加納寛子 2002 ポートフォリオで情報科をつくる 新しい授業実践と評価の方法 北大路書房.

_ ポートフォリオ作りの説明書

_  ポートフォリオ評価で評価する視点

 レポートを作成する,あるいは何か課題や作品を完成させるプロセスで,様々な資料を収集するでしょう.集めたものをすべて使用して課題を完成させることはなく,収集した膨大な資料の中で,使用する資料は,ほんの一部でしょう.完成した作品からだけでは,課題に使用しなかった資料や写真や考えたことを推測することはできません.主に,完成した課題に使用しなかった資料や写真や考えたことをポートフォリオに挟んでおいてください.そうすれば,完成された作品の背景を評価することができます.完成した作品を電子ファイルで提出する場合は,特に完成した作品をプリントあうとしたものは不要です.もちろん挟んであっても構いません.

 

 また,途中までレポートを書きかけたところで,新しい資料を読んでいるうちにテーマが少し変わることもあります.そのような場合も,途中まで書きかけたレポートと,なぜ,テーマを変えたのかに関する説明を挟んでおいてください.そうすれば,完成したレポートだけでは読み取れない,考えの道筋を評価することができます.

(注)提出間際になって,「ポートフォリオに何を挟んだらよいですか?」という質問は,あまり感心できるものではありません.

 
添付ファイル: file100_名前_学習履歴図.docx 1142件 [詳細]
Last-modified: Wed, 04 Jun 2014 01:24:52 JST (1209d)